スウェーデンの葬送

 スウェーデンの埋葬法では、遺体を遅くとも2ヶ月の内に土葬か火葬をし、遺灰は少なくとも1年以内にまいそうされなければならないとされている。遺灰を自宅に持ってかえることは禁止されている。スウェーデンでは、死者は平和な気持ちで眠っていると考えられ、遺族は遺骨に触れてはいけない。
 葬式は、故人が人工登録されているコミューンの埋葬場の礼拝堂あるいは教区の教会で行われる。死後3・4週間後に遺族の人たちの都合の良い日に行われることが多い。葬式が終わった後、遺族は1時間から2時間ぐらい、コーヒーを飲んだり食事をしたりするだけ。法事はなく、新聞に愛する夫が死んで1年目であるという広告が出ることもあるが、これはきわめて稀なケース。
 土葬の場合は、埋葬は葬儀の一部と考えられ、参加者の葬列のもとに引き続き埋葬されることが多い。しかし火葬の場合は葬儀の1日後に、遺族の人たちがいないところで火葬される。日本のように、親族が遺灰を拾うことはしない。墓地に骨壷を埋葬する日まで、火葬場や葬儀社が骨壷を保管する(通常は、納骨は1・2週間後から6カ月後)。
 葬儀の形式には宗教葬儀と市民葬儀があり、宗教葬儀としては、スウェーデン国教であるルター派のものが多い。市民葬儀では、牧師や僧侶はいない。宗教的行為が省かれ、友人達がスピーチをする。
 喪主について決まったルールはない。通常は配偶者を優先。子どもの間では序列がない。子どもが喪主の場合には、時々、意見があわず争いになる。生前に葬儀のやり方を決めておくことが奨励されている。


■関連項目  ミンネスルンドの概要