ヲ解説1:スウェーデンの火葬の歴史

スウェーデンではもともと火葬の慣習がバイキングの時代からあった。遺体と馬など船に入れて火をつけて、海に出し船とともに燃やすと、スウェーデンの神話の天国であるバルハラに行けると信じられていた。しかしキリスト教が12〜13世紀にイングランドや北ドイツから派遣された伝道師により広まり、やがて火葬の慣習はなくなる。
スウェーデンの火葬は、1889年に特例でドイツ人に対して初めて認められ、その後少しずつ増えていく。1856年以降のスウェーデンでの埋葬件数は、教会の埋葬簿から算出される。それによると、1887年から1931年までの44年間の火葬数は8698件。1936年の1年間の埋葬数は3391件で、死者のうちで火葬された割合はわずか4.5%に過ぎない。その後漸次的に火葬率は上昇し、1996年には65.7%となっている。火葬率は都市部が高く、首都ストックホルムで89.9%、人口第2の都市ヨーテボリで73.6%、第3の都市マルメで88.5%。

■関連項目 埋葬の歴史と統計

ヲ解説2:ミンネスルンドについての意識調査

ミンネスルンドについての一般市民の意識調査が、スウェーデンで初めて、ベステロースの墓地管理事務所によって、1989年から1990年にかけて、実施された。調査の目的は、残された遺族の埋葬形式に対する意識の把握。その調査の主任を務めたジョン・A・ボース(John A B血th)が、墓地雑誌『Kyrkog罫den』1992年3月号にその結果を報告。
この調査の対象者は、ベステロース墓地のミンネスルンドに親族を埋葬した遺族で、無作為抽出された356人の遺族に、アンケート用紙が郵送され、320票の有効回答が得られ、有効回答率89.9%で、通常よりも高い回答率で、これは、いかにミンスルンドに人々の関心が強いか、調査結果が一般市民の声を代表するものであることを示している。
この調査の分析結果にもとづき、いくつかの対策案がベステロース教会連合の理事会に提出された。その概要は以下の通り。

<対策1>ミンネスルンドの存在自体は知れ渡っているが、ミンネスルンドの具体的内容を知らない人もいる。ミンネスルンドの長所と短所を明記したパンフレットを作成し、埋葬形式の決定する前に、明確な情報を提供する。
<対策2>多くの親族は、ミンネスルンドが散らかっていると感じている。ロウソクやかかり火用のかごや花輪を個々人が置くのを制限するために、「永遠の炎」と「大きな花輪」を置く。
ちなみに、全国で初めてミンネスルンドが建設されたのは、ベステロースの墓地である。

図3 ミンネスルンドを選ぶ割合


■関連項目 ミンネスルンドの埋葬方法とその選択